シャンプーのあと、排水口にたまった髪を見て、ぎょっとする。
「こんなに抜けていたっけ?」
一度気になり始めると、髪を乾かすときも、朝のスタイリングでも、抜けた髪の本数を気にしてしまうものです。
抜け毛は誰にでもあります。ただ、以前と比べて明らかに増えた場合には、脱毛症や体調の変化が関係していることもあります。
特に注意したいのは、急に抜け毛が増えたとき、一部分だけ髪が抜けたとき、頭皮に赤みや痛みなどがあるときです。
この記事では、皮膚科へ相談したい3つのサインと抜け毛の主な原因、受診前に確認しておくと役立つことを紹介します。
抜け毛がひどいとき、病院へ行くべき3つのサイン
抜け毛の本数だけで、病気かどうかを判断することはできません。
大切なのは、以前の自分と比べてどのように変わったか、抜け方に特徴があるか、頭皮にも症状が出ていないかという点です。
1.短期間で抜け毛が明らかに増えた
シャンプーのたびに、以前より多くの髪が抜ける。ブラシや枕につく髪が急に増えた。
こうした変化が続く場合は、皮膚科で原因を確認してもらいましょう。
急な抜け毛の原因の一つに、休止期脱毛があります。
高熱を伴う病気や手術、出産、急激な体重減少、強い心理的ストレスなどをきっかけに、髪の生え替わる周期が変化し、一時的に抜け毛が増えることがあります。
特徴的なのは、きっかけとなった出来事から2〜3か月ほど経って抜け毛が増える場合があることです。
自然に回復することもありますが、別の脱毛症が重なっていたり、原因となる病気が隠れていたりする可能性もあります。
抜け毛が続いている、急速に髪の量が減っていると感じる場合は、自己判断せず相談してください。
2.円形に髪が抜けた、分け目が以前より広がってきた

ある日、髪をかき上げたときに、一部分だけ地肌が見えていることに気づく。
こうした場合には、円形脱毛症などが考えられます。
円形脱毛症は、典型的には円形や楕円形に髪が抜けますが、必ずしも丸い形になるとは限りません。脱毛部分が増えたり、広がったりする場合もあります。
一方、分け目や頭頂部が少しずつ薄くなってきた場合には、女性型脱毛症や男性型脱毛症などが関係していることもあります。
抜け方によって考えられる原因は異なります。
「まだ少しだから」と我慢せず、気になる変化があれば皮膚科で相談しましょう。
3.抜け毛と一緒に、頭皮の赤み・痛み・強いかゆみがある
抜け毛が増えているだけでなく、頭皮が赤い、痛い、強くかゆい、かさぶたや膿があるといった場合には、頭皮の炎症や感染症などが関係している可能性があります。
炎症を伴う脱毛症の中には、毛包に傷害が生じ、髪が再び生えにくくなるものもあります。
痛みや赤みが強い、膿が出ている、症状が広がっている場合には、速やかに医療機関を受診してください。
こうした状態で新しい育毛剤や頭皮ケア用品を試すと、刺激になることもあります。まずは頭皮の状態を確認することが先です。
1日に何本抜けたら異常?
一般に、健康な人でも1日に50〜100本程度の髪が抜けるとされています。
ただし、この数字は一つの目安にすぎません。
髪が長い方は、同じ本数でも多く見えます。洗髪をしなかった日の分が翌日にまとまって抜けることもあります。
100本を超えたら必ず病気、というわけでもありません。
むしろ確認したいのは、以前より明らかに抜け毛が増えていないか、分け目が広がっていないか、髪のボリュームが減っていないかという変化です。
毎日抜け毛を数え続ける必要はありません。不安が続くときは、医師に相談する方が原因を整理しやすくなります。
抜け毛が増える主な原因
抜け毛というと、ストレスや睡眠不足、加齢を思い浮かべる方もいるでしょう。
けれども、原因はそれだけではありません。
休止期脱毛
病気や出産、体重の大きな変化などをきっかけに、普段より多くの髪が抜ける状態です。
原因となった出来事から時間をおいて抜け始めることがあり、髪全体が薄くなったように感じる場合があります。
きっかけが解消されれば回復するケースもありますが、長引く場合にはほかの原因も考える必要があります。
女性型脱毛症・男性型脱毛症
髪が少しずつ細くなり、全体の密度が減っていくことがあります。
女性では、分け目や頭頂部の地肌が以前より目立つようになって気づくこともあります。
更年期以降に髪の変化を感じる女性もいますが、年齢だけで原因を決めつけることはできません。
毛髪や頭皮の状態を確認したうえで、治療が必要かどうかを検討します。
円形脱毛症
免疫の働きが毛包に影響することで起こる脱毛症です。
ストレスだけが原因ではありません。
脱毛の範囲や進行の速さによって治療方針が変わるため、疑わしい場合には皮膚科で診察を受けてください。
栄養状態・全身の病気・薬剤など
急激なダイエット、鉄欠乏、甲状腺の病気などが抜け毛に関係する場合があります。
服用している薬が影響することもあります。
ただし、抜け毛が増えたからといって、鉄分や亜鉛などのサプリメントを自己判断で大量に摂れば改善するわけではありません。
薬を服用している方も、自己判断で中止せず、医師に相談してください。
抜け毛が止まらないときは、何科を受診する?
まず相談先として考えたいのは皮膚科です。
抜け毛が始まった時期や抜け方、頭皮の状態、これまでの病気や使用している薬などを確認し、必要に応じて検査や治療を検討します。
受診するときに、抜け毛の本数を正確に数えておく必要はありません。
次のようなことが分かると、診察時に状況を伝えやすくなります。
- いつ頃から抜け毛が気になり始めたか
- 急に増えたのか、少しずつ髪が減ってきたのか
- 分け目・つむじ・生え際など、特に気になる場所
- 頭皮のかゆみや痛み、赤みがあるか
- 数か月前に発熱や手術、急激な体重変化などがあったか
- 普段使用している薬やサプリメント
分け目の広がりが気になる場合は、以前の写真があれば参考になります。
ただ、毎日写真を撮って変化を確認する必要はありません。気になっていることを、そのまま医師に伝えてください。
抜け毛が増えたとき、自宅ではどうしたらいい?

抜け毛が増えると、シャンプーを変えたり、育毛剤を使ったり、何か始めたくなるかもしれません。
ただし、抜け毛の原因によって必要な対策は違います。
洗髪を必要以上に怖がらない
シャンプーのときに髪が抜けると、洗わない方がいいのではと思うこともあるでしょう。
でも、洗髪時に抜けた髪がすべてシャンプーによって抜けたとは限りません。
頭皮を強くこすらず、無理のない方法で清潔に保ちましょう。
食事や生活習慣を整える
極端な食事制限を避け、たんぱく質などの栄養素を偏りなく摂ることは、毛髪を含めた健康管理の基本です。
睡眠を確保し、体調を整えることも大切です。
ただし、生活習慣を見直すだけで、すべての脱毛症が改善するわけではありません。
「最近忙しかったからストレスが原因だろう」と決めつけず、抜け毛が続く場合は医師に相談してください。
治療後も分け目やつむじが気になる場合は?
抜け毛の原因が分かって治療を始めても、髪の見た目がすぐに変わるとは限りません。
治療を続けながら、分け目やつむじをヘアパウダーでカバーしている方もいるでしょう。
髪が増えることを待つ時間と、毎朝地肌を隠すためにかける時間。これは別の悩みです。
そんなときに検討できる方法の一つが、頭皮アートメイクです。
頭皮アートメイクは、地肌に毛根のような細かなドット状の色素を入れ、今ある髪を生かしながら地肌の透けを目立ちにくくする施術です。
髪を生やす治療ではなく、抜け毛を止める作用もありません。
そのため、抜け毛が急に増えている段階や、頭皮に炎症がある場合には、原因の診断や必要な治療を優先します。
そのうえで、地肌の見え方を整えたい場合には、施術の適応を確認して検討することができます。
スカルプアートメディカでは、どんな相談ができる?
「薄毛の治療を受けているけれど、地肌の透けが気になる」
「分け目をもう少し目立ちにくくしたい。でも、自分の髪の量でもできるのだろうか」
頭皮アートメイクに興味を持っても、写真や料金表を見るだけでは、自分の頭皮に施術できるか分からないと思います。
スカルプアートメディカでは、医師の診察のもと、医師の指示に従い、所定の研修と認定試験を修了した看護師が頭皮アートメイクを行っています。
施術には専用機器「FIXER」を使用します。
ただし、現在の毛量や頭皮の状態によって施術できる範囲は異なり、希望する見え方に対応できない場合もあります。
施術によって髪が増えることはなく、赤み、痛み、感染、アレルギー反応、色ムラ、傷跡などのリスクがあります。色素が長期間残る可能性もあります。
施術費用はどのくらい?
通常料金の一例です。
| 施術面積 | 回数 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 25㎠まで | 2回 | 89,000円 |
| 50㎠まで | 2回 | 154,000円 |
※2026年10月14日時点の公式通常料金です。必要な施術面積や回数は個人の状態によって異なります。リタッチは別料金です。
施術前後の見え方は、女性・男性それぞれの症例から確認できます。
無料カウンセリングで確認できること
当院の無料カウンセリングでは、現在の髪や頭皮の状態、ご希望を伺い、施術できる範囲や必要な回数、費用の目安について説明しています。
育毛・発毛治療中の方は、現在使用している薬や受けている治療についてもお知らせください。
抜け毛の原因が確認できていない場合や、頭皮に炎症などがある場合には、まず皮膚科での診断・治療を優先していただくことがあります。
まだ施術を受けると決めていなくても、「自分の分け目にもできるのか知りたい」という段階からご相談いただけます。
※フォームからのお申し込みは仮予約です。送信後、スタッフからご連絡します。
抜け毛について、よくある質問
抜け毛が急に増えた場合、自然に戻ることもありますか?
休止期脱毛などでは、原因となった状態が改善することで抜け毛が落ち着く場合があります。
ただし、自然に戻るかどうかは原因によって異なります。抜け毛が続く場合や、短期間で毛量が大きく減った場合は、皮膚科で相談してください。
更年期の抜け毛は仕方がないのでしょうか?
更年期以降に髪が細くなったり、分け目が目立つようになったりすることはあります。
ただし、年齢だけが原因とは限りません。女性型脱毛症や鉄欠乏、甲状腺疾患などが関係する場合もあるため、気になる変化が続く場合は相談しましょう。
抜け毛の治療中でも頭皮アートメイクを受けられますか?
治療内容と頭皮の状態によって異なります。
施術の可否や、外用薬などをいつから再開できるかについては、医師の判断が必要です。治療を自己判断で中止しないようにしてください。
まとめ|抜け毛が増えたら、まず原因を確かめる
抜け毛が増えたからといって、必ず病気とは限りません。
ただし、急に大量に抜けるようになった、一部分だけ髪がなくなった、頭皮に痛みや赤みがあるといった場合は、皮膚科で原因を確認することが大切です。
原因によって、必要な治療も経過も異なります。
抜け毛の原因を確認した後も、分け目やつむじの地肌が気になる場合には、髪型の工夫やカバー用品、頭皮アートメイクなど、見た目への対策を考えることができます。
髪の健康を守ることと、今の見た目の悩みを軽くすること。どちらも大切ですが、目的は別です。
まずは今の髪に何が起きているのかを確かめ、そのうえで自分に合う方法を選んでください。