はじめに
治療は始めたけれど、効果が出るまでの間、人目が気になる
副作用が心配で、薬を続けてよいか迷っている
治療をしていても、分け目の地肌が気になって、鏡を見るのがつらい
カウンセリングでは、こうしたご相談をいただくことがあります。
薄毛のお悩みは、髪の量そのものだけでなく、毎日の気持ちにも大きく関わってきます。
治療を始めても、変化を感じるまでには時間がかかることがあります。
その間の今の見え方をどうするかは、患者さんにとって治療と同じくらい切実なテーマだと、現場で日々感じています。
この記事では、薄毛治療薬に不安を感じている方、あるいはすでに治療を続けている方に向けて、頭皮アートメイクという選択肢を考える前に知っておきたいことをお話しします。
薬への不安は、まずは主治医に話してみてください

副作用が出ないか。
いつまで続ければよいのか。
やめたあとはどうなるのか。
薬への不安は人によってさまざまですが、共通してお伝えしたいのは、不安なまま自己判断で始めたり、急にやめたりはしないでいただきたい、ということです。
薄毛の原因はひとつではありません。
AGAやFAGAだけでなく、円形脱毛症、産後の脱毛、加齢による変化、生活習慣、頭皮そのもののトラブルが関わっていることもあります。
原因によって、必要な治療も、カバーの仕方も変わってきます。
「飲み続けるのが不安だから、薬以外の方法を探したい」というご相談もあります。
その気持ちはよく分かります。
ただ、まずは処方を受けている医師に、その不安をそのまま伝えていただくことが大切です。
相談してみると、薬の種類や量、使い方、治療を続けるかどうかについて、別の選択肢を提案してもらえる場合もあります。
薄毛治療薬と頭皮アートメイクは、そもそも目的が違います
ここを混同される方は少なくありません。
薄毛治療薬と頭皮アートメイクは、どちらが上というものではなく、そもそもの目的が違います。
薬は、髪そのものに働きかけるための治療です。
発毛を促したり、抜け毛の進行を抑えたりする目的で使われます。
一方で、頭皮アートメイクは、髪を増やすものではありません。
頭皮に色素を入れることで、地肌の透けを目立ちにくくする方法です。
あくまでも、気になる薄毛部分をカバーするための選択肢であり、薬の代わりになるものではありません。
そのため、ご自身の今のお悩みが「髪を増やしたい」のか、「今ある薄毛部分の見え方をカバーしたい」のかを、いったん分けて整理していただくと、必要な選択肢が見えやすくなります。
両方を希望される方もいらっしゃいます。
薄毛部分をカバーする方法は、いくつかあります
気になる部分を隠す方法は、頭皮アートメイクだけではありません。
それぞれに向いている場面があります。
髪型や分け目を変える
分け目を変えたり、髪型を見直したりするのは、今日からできる方法です。
ただ、毎日同じ場所で強く結んだり、無理に隠そうとして髪を引っ張ったりすると、頭皮や髪に負担がかかることもあります。
「隠そうとしていたら、別の場所が気になってきた」というご相談を受けることもあります。
ヘアパウダーやスプレーを使う
ヘアパウダーやスプレーは、お出かけのときだけ一時的にカバーしたい方には使いやすい方法です。
一方で、汗や雨で落ちる、枕に色が移る、毎朝の手間がかかる、といった負担を感じる方もいらっしゃいます。
ウィッグや部分ウィッグを使う
範囲が広い方や、すぐに印象を変えたい方には、ウィッグや部分ウィッグという選択肢もあります。
装着感、蒸れ、費用、メンテナンスをどう感じるかは、人によって違います。
毎日使いやすいかどうかも、選ぶうえで大切なポイントです。
頭皮アートメイクを検討する
頭皮アートメイクは、分け目、つむじ、生え際など、地肌が透けて見える部分に色素を入れていく方法です。
汗や水でその日のうちに落ちるものではない一方で、施術後の一時的な赤み、時間の経過による色の変化、将来的なリタッチが必要になることなども含めて、ご理解いただいたうえで進めていきます。
治療中の方が頭皮アートメイクを考えるとき、確認しておきたいこと
治療中の方や、これから治療を始めようとされている方が頭皮アートメイクを検討する場合、確認したいのは、やるか、やらないかだけではありません。
カウンセリングでは、現在使われているお薬や外用薬の内容、頭皮の状態、薄毛がどの程度進んでいるか、これから範囲が変わる可能性があるか、といったところまで一緒に確認していきます。
施術後の生活で気をつけていただきたいこと、洗髪や運動についてなども、その場でお伝えします。
特に気にしていただきたいのが、頭皮の状態です。
赤みやかゆみ、湿疹、強い炎症、フケがある場合は、施術を先に進められないことがあります。
まずは頭皮の状態を整える必要があります。
また、脱毛が急に進んでいる時期は、デザインの判断が難しくなることがあります。
その場合は、少し経過を見てから検討した方がよい場合もあります。
内服薬や外用薬の内容によっては、主治医に確認していただいた方が安心なケースもあります。
カウンセリング時に、この点は事前に確認をお願いしますとお伝えすることもあります。
早めの施術を希望される場合ほど、まずは今の状態を一緒に確認することが大切です。
治療を続けながら、薄毛部分をカバーする方もいます
カウンセリングに来られる方の中には、薬を続けながら、人目が気になる部分だけ頭皮アートメイクでカバーしておきたいという方もいます。
一方で、まずは治療の経過を見て、数か月後にもう一度考えたいという方もいらっしゃいます。
どちらが正解、ということではありません。
今の頭皮や髪の状態、毎日の生活でどこに困っているか、どのような仕上がりを希望されるかによって、選び方は変わります。
大事にしていただきたいのは、薄毛の治療と薄毛部分のカバーを分けて考えることです。
この二つを混ぜて考えてしまうと、「薬が不安だから頭皮アートメイクをする」「頭皮アートメイクをしたから治療はもう必要ない」というように、本来必要な確認が抜け落ちてしまうことがあります。
さいごに
薄毛治療薬への不安と、治療中の見え方の悩み。
その両方を抱えていらっしゃる方は少なくありません。
頭皮アートメイクは、髪を増やす治療ではありません。
ただ、気になる薄毛部分をカバーし、人前に出るときの不安を軽くするための選択肢になる場合があります。
一方で、頭皮の状態や治療の進み具合によっては、今は別の方法を優先した方がよいこともあります。
ご相談いただければ、現在の治療内容や頭皮の状態を伺ったうえで、頭皮アートメイクを検討できるタイミングか、ほかの方法の方が向いているかを一緒に確認します。
施術をその場で決めていただく必要はありません。
まずは状況を整理するところから、ご相談ください。